サウナ!温泉!銭湯! 闘魂 THE ボイラー
   

温浴人最前線 ザ・ボイラー

温泉・サウナ・銭湯・スポーツクラブ…温浴業界の ハートの熱い経営者・運営者様に送る旬の業界人のコラムを掲載。 業界最新動向と未来を語るフリーペーパーです。

 

[プロフィール]
熱波甲子園2017 社会人の部 優勝
熱波アドバイザー/月刊サウナ 制作委員
サウナ皇帝・熱波師 井上 勝正

2009年プロレスラー廃業後、横浜鶴見区にあるスーパー銭湯『ファンタジースパ&サウナ おふろの国』に入社。ロウリュ熱波で日本各地のお客様に熱波と情熱を届ける。また、老若男女を引きつけるその熱きキャラクターで、サウナ熱波以外の子供向けお風呂イベントでも活躍、ライターとしても様々な媒体で執筆。
現在一児の父でもある。

[ブログ]サウナのサウナ皇帝 井上勝正 ロウリュ熱波道&オタクカルチャーブログ
http://ameblo.jp/0455854126

[インターネットラジオ]MasterPieceのぶっ壊レディオ
http://www.girlsvocallive.com/radio/page/master.html


 

それが魂の着火点

<vol.20>
さうな姫(桜餅)
   
× 井上 勝正

ちゃんと見るまでは
僕は死ねない
( スピッツ♪ラズベリー♪ から )


回この「ザ・ボイラー」で対談させていただいたのは女性です。
バックナンバーでも女性はいらっしゃるのだけど対象者を一人に絞った上での女性というのは 今回が初めてです。

しかも彼女は温浴業の関係者じゃなく、完全な一般ユーザー。
ただ〝サウナ〟と〝水風呂〟が大好きな一人の女性であり、サウナーです。

なので今回本文中では、 彼女が具体的に生業として何処で何をやっているのかは抽象的な表 現になっている部分もありますが ご了承ください。
そして本来結びの言葉をここに持ってくるのも可笑しな話しだが、一つの物事をただ純粋に突き詰めて観ていくと
その本質がみえる事がある、主題は常に普遍だと言うこと。

最後にはそう言わざるを得ない事に気づくだろう。

「お笑いのジューシーズ( 現 サルゴリラ )の児玉さんのファンでずっと好きだったんです、
ファンです。」と話す さうな姫 ( 桜餅 ) 。

さうな姫
「もちろん今でも好きですけど
その児玉さんて銭湯好きじゃないですか、それで 自分も銭湯行ってみよう!って思ったんです。
サウナはそれがきっかけです。 でもまず行ったのはスーパー銭湯のサウナでした。(笑)」

(因みにお笑い芸人 児玉 智洋 さんはこのザ・ボイラーVOL.2のゲストです。
バックナンバーで読めるので是非読んでみてください。)

……………さうな姫は お風呂って言うのはどうだったんですか? 
家のお風呂ではなく、温浴施設はそもそも好きだった?

さうな姫
「今では真逆なんですけど、、以前はアツいのがキライで…
家族で温泉旅行に行っても自分だけシャワーで済ますぐらい。
でもそれで良かったし、苦手でしたから。
部屋で宿題とか勉強してました。」

 

…じゃあ 学校とか好きだった?

さうな姫
「いえいえ… 学校キライで 中学でプチ不登校。
そんな私に親が 可愛いウサギを飼ってくれた思い出があります。」

やがてウサギは死んでいなくなってしまうが…
とにかく中学も高校も無事に卒業して大学生になった。

さうな姫
「文学の授業で『竹取物語』があったんです。
子供の頃読んだ『かぐや姫』ですよね、って思って参加しました。
『かぐや姫』なら知ってるし失礼な話ですけど 少し軽い気持ちで。」

 

『かぐや姫』、…つまり『竹取物語』。
平安時代初期(正確な年月日は不明)さらに作者さえ不明だという日本最古の物語である。

時代によって変わるタイトル、現代では『かぐや姫』とつけられたものが多いかな?
しかしどれもが通称で、最初期は『竹取りの翁』と言うタイトルであったと云われている。

もはや原本は存在しない。

さうな姫
「その時の授業での『竹取物語』自分の知っている かぐや姫 の話とはぜんぜん違ってショックでした。
そして最後の『かぐや姫』の台詞に感銘を受けたんです。」

……………皆さんの知っている『かぐや姫』の お話と最後の言葉とはどうだろうか?
ボクの知っているものとしては…、思い返してみる。

月からの迎えを前にしてかぐや姫は
「お父様、お母様、これでお別れで御座います。これからは月をみるたび 私の事を思い出してください。
育てていただいたご恩は忘れません。」

こんな感じですよね……………

さうな姫
「違うんです。
かぐや姫って最後は泣き伏す翁に自分の着ていた衣と手紙を残して、
帝には不死の薬と一緒に手紙を頭中将(日本の律令制における公家官職の呼称)にサッと渡すんです。

『いまはとて 天の羽衣 着るをりぞ 君をあはれと 思いでける 』

…と和歌を詠んでる。ご恩は忘れません…なんかは言っていなくて
それで羽衣を ふぁ…と天人に着せられるともう記憶も何も無くなっちゃうんです、
初期化されて月に行っちゃう。
センチメンタリズムなんてないんですよ。その躊躇の無さ、と言うか。
…そこに感銘を受けたのかも。そのラストがたまらなく好きになってしまって。」

 

もそも高校を卒業したら働いて「作家になりたかった」と言うさうな姫だが
親のすすめで行った大学で最初期バージョンの『竹取物語』に出逢ってしまった。

さうな姫
「知っているつもりのものが違った。そして凄い!と思ったから夢中で調べました。」

実は研究の対象としての『竹取物語』は歴史が浅く、研究者も少ない。
本格的に調べられ出したのは昭和に入ってからである、源氏物語よりも以前の日本最古の物語なのにだ。

さうな姫
「今の皆が知っている『かぐや姫』のお話になったのは戦前(第2次世界大戦前)1930年代ぐらいからなんです。
当時の教育論も影響していると思う。」

『竹取物語』を好きになって どんどん調べていったらどんどん時間も経ってくる。
そうしたら大学も卒業する時が必ずやってくる、

……………かぐや姫なら月に帰るときだ。その時はくる。

さうな姫
「ああ、これで卒業したらもう『竹取物語』に、 このお話に触れることも無くなっちゃうんだろうな、って…。
好きだけどこれからはどっぷりって事もなくなる。
かと言って 専門的に研究を続ける覚悟、つまりドクターになる覚悟がなかった。
そう思ったら悲しくなってきて…。
好きな事、興味がある事を続けることも出来ない…ドクターになる覚悟もない…自分は何なんだ…て。 」

この「竹取物語を研究をしなくなる」と考えた時の絶望にも似た気持ち。
心にゴボッ…と穴が空く気持ち、まさにかぐや姫が月に帰った後の翁である。

このまま『竹取物語』の研究を今のエネルギーを持って続けたいのならば大学院へ行くしかない。
しかし、かりに ドクターになって更に研究を続けてもその先に何かある訳でもない事は分かっている
況してや女性ならば 失う物の方がきっと多いだろう。

その〝研究と勉強に費やす時間〟が〝女性としての大切な時期〟も〝時間〟も奪いかねないからだ。

何度も書くが『竹取物語』の研究を続けても 生活を送っていく上で必要なものなど無い。
世の中にとって必ず無くてはならないものではない。

つまりそれが無かったとしても社会も廻りの環境も何の問題もなく回って行くだろう。
そして、普通の幸せとは少し遠くの処で生きていく。
それでもひたすらに研究を続けていく「覚悟」が自分にはあるのか?

の頃は いろいろな人にアドバイスをもらったが、結局のところ自分の進路を決めるのは自分しかいない。

さうな姫は ロックバンド「スピッツ」の ♪ラズベリー♪という曲が好きだ、
人生のテーマソングだと思っている。

……………その詩が聴こえてくる

♪でこぼこのゲームが今はじまる♪
♪穴を抜けてこっちへおいでと五円玉のむこうから呼ぶよ♪
♪ちゃんと見るまでは僕は死ねない♪

……………決めた!!

さうな姫
「何かはあると思います。
自分にしか解らないこと、自分にしか探せないこと、
自分だから出来ることがきっとある。
全く必要な事じゃないことかもしれないけど
大切だと思います。
だってそれでこそ人間じゃないですか。(笑)」

『竹取物語』の最初のお話を知ったとき、
その美しさと主題の普遍性に胸がつまって
知っていくにつれ 虚構の物語を創ることの喜びも与えてくれた。

「一生を捧げたいんです。」と、さうな姫は言った。

 

さうな姫
「しんどくなったらですか?
弟がいるんですけど ご飯は私が作ってあげるんです、
「何食べたい?」って聞いて話しするだけで元気になれます!」

 

サウナには、お風呂屋さんには、そんな人が来るのだ。

 

[プロフィール]
さうな姫さうな姫[桜餅(さうなひめ[さくらもち])
東京都出身 1985年5月8日生まれ 

大学院生。国際基督教大学大学院博士後期課程在学中。
3年ほど前、お笑い芸人サルゴリラ児玉さんの話を聞いて
サウナに行ってみたのをきっかけにサウナにはまる。

[Twitterアカウント]@omochiii58


[バックナンバー ]


やかん
〈vol.1〉 放送作家 柴田健太郎氏 × 井上勝正

やかん〈vol.2〉 芸人 児玉智洋氏(サルゴリラ) × 井上勝正

やかん〈vol.3〉 エーワン東京 代表取締役 鈴木明氏 × 井上勝正

やかん〈vol.4〉 バスリエ株式会社 代表取締役 松永武氏 × 井上勝正

やかん〈vol.5〉 株式会社 メトス 取締役 新規事業部長 吉永昌一郎 × 井上勝正

やかん〈vol.6〉 富士・湯らぎの里 マネージャー 澤田佳秀 ×
温浴チーフ 大河原 健太 × 井上勝正

やかん〈vol.7〉 株式会社 メトス 新規事業部 平瀬雅洋 ×
ファイテン 株式会社 量販・OEM事業部 量販チーム 福地隆志 × 井上勝正

やかん〈vol.8〉ディスクジョッキー 恩田裕之 × 井上勝正

やかん〈vol.9〉ファイテン 株式会社 量販・OEM事業部 OEMチーム 
チーム長 大槻剛裕 × 井上勝正

やかん〈vol.10〉株式会社メトス 新規事業部 塙 康典 × 井上勝正

やかん〈vol.11〉株式会社メトス 営業部 企画グループ担当部長温浴
ソムリエ炎の伝道士  岩崎 秀明 × 井上 勝正

やかん〈vol.12〉一般社団法人ニッポンおふろ元気プロジェクト 代表理事 山崎 寿樹 × 一般社団法人ニッポンおふろ元気プロジェクト 理事 久下沼 伊織 ×
一般社団法人ニッポンおふろ元気プロジェクト 監事 酒寄 学 × 井上 勝正

やかん〈vol.13〉源泉湯 燈屋 代表取締役 社長 館主 氏原 敦 × 井上 勝正

やかん〈vol.14〉株式会社 クア・アンド・ホテル
信州健康ランド 支配人 小久保 実 × 石和健康ランド 浴室課課長 浅原 裕介 ×
信州健康ランド フロント課主任 秋山 達也 × 
石和健康ランド フロント課 佐藤 美咲 × 井上 勝正

やかん〈vol.15〉株式会社 バスクリン ダイレクトマーケティング部リーダー
バスクリン銭湯部 部長 高橋正和 × 井上 勝正

やかん〈vol.16〉幸和興業有限会社 代表取締役 長沼 雄三 × 井上 勝正

やかん〈vol.17〉サウナー ヨモギダ ×  
サウナ&カプセル ニューウイング 支配人 吉田健 × 井上 勝正

やかん〈vol.18〉東名厚木健康センター 三蔵商事株式会社
代表取締役社長 岡村 篤秀 ×  支配人 川口 歩 × 井上 勝正

やかん〈vol.19〉「はだかの学校」 東京・元浅草の 銭湯  古代ひのき風呂 日の出湯
取締役 田村 裕一 × 井上 勝正

 

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〈ザ・ボイラーについてのお問い合わせ〉
E-mail:yukichi@ofuronokuni.co.jp
TEL:050-5519-2461
発行: 一般社団法人おふろ元気プロジェクト 理事・林和俊
 〒230-0012 横浜市鶴見区下末吉2-25-23 
制作:(有)オアシス THEボイラー編集部 編集長・鬼塚麻子

 

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